上記で説明した書店のフェアなどでは、店頭にて全巻紹介しています。
元来のファンであれば関係の無い話ですが、新たなファンは1から全て読み始めなくてはなりません。
原作を1巻から読み始めるのは、時間的、金銭的に高い出費になります。
文庫作品であれば、安い価格と少ない巻数で、もう一度読み直すことが出来ますが、
ドラマになる作品は最新の話題作が主。
ネギま!も実写化しましたが、原作は現在19巻まで発刊されており、ドラマのストーリーは1巻から。
また、ネギまのドラマは元々からのファンでなければ、所々理解できない部分があるようで、原作を知らない人が観れば、完全に置いてけぼりを喰らう作品ということらしいです。
ファンとしては、折角のドラマ化であり、みんなで楽しめる作品であって欲しいと願うばかり。いっそ、ネギま!も文庫のようになってくれれば、このドラマ化をきっかけに新たなファンが増えるのでは?と思うわけです。
ネギまの文庫化なんて、世の中そんなにうまい話もありませんが、これは日本に限った話。
どうやら、米国ではちょっと違うみたいです。
それが今回のトピックです。
では、早速紹介します。

ちらが今回紹介するネギま!の英訳版。
この表紙はファンの間でも、このページでもお馴染みですね。
そう、ここから全てが始まった・・・
個人的にもネギまのファンですから、米国内でのネギまに対する愛は人一倍あると自負しています。
その愛もあり、ネギまの英訳版は一度ウチのページでも紹介。(英訳版比較はこちら)
一度紹介しているのに、またネギまの英訳版の話題?と思われるかもしれません。
たしかに、この表紙は一見すると普通のネギま!英訳版ですよね?
でも、皆さん、表紙をよ〜く見てください。何かいつもと違う所がありませんか?
表紙の巻数に注目してみてください。

表紙に書かれている、この1、2、3の文字。
そう、このネギま!には、なんと1〜3巻が1冊に収録されています。
まさに、米国版のコミック文庫。
この形式は、日本で言う文庫版に相応しいでしょう。
現地ではオムニバス版と呼ばれ、ネギまを発刊しているDel
Reyが今年から発売を開始。
ネギま!以外にも、CLAMP作品であるxxxHOLiCとツバサがこの形状で発売されています。
まだ試験的であり、今後の発売は未定ではありますが、オムニバス版の最初のラインナップに
ネギまが挙がることは、それだけ現地での高い人気の証ということです。
ただ、いきなり1〜3巻まで入っていると言われても、この表紙だけでは実感が沸かないと思いますので、実際に既刊と比較して、これが一体どういうものなのかを検証します。

既刊の1巻と並べてみました。
左の時点で、この本の厚さが若干確認できる程度ですが、右を見てもらえば、もう一目瞭然でしょう。
さすがは3冊分、
背表紙の明日菜が、これだけしっかり描かれています!
明日菜を見ただけで、本の厚さも確認できると思います。
これを現地で見つけたのはつい先日の話ですが、初めて見つけたときはその分厚さに圧倒されました。
実際にこれが現地の書店に並んでいる図を紹介します。

棚を埋めつくす、ネギま!とオムニバス版!
単行本との違いが分かっていただけましたか?
この圧倒感、ネギま人気は世界を席巻しています。
現地では、書籍の羅列はタイトル順なので、NARUTOの後にネギまが来ます。
実際の人気はNARUTOの方が圧倒的ですが、インパクトではネギまに軍配が上がるでしょう。
また、写真にはこのオムニバス版が2冊も写っており、既に6冊分のスペースを消費してます。
既に単行本で揃えているファンもこれを購入するとおもわれますが、これ1冊でもかなり棚を取られますが、さすがは米国、ここにも国民性でもある豪快さがよく出ています。

この1冊でエヴァンジェリン編まで補完可能!
日本の文庫でも平均1.5巻が普通ですが、一度に3巻分も収録しているおかげで、この1冊で作品が通しで読め、これからネギま!を読もうとする新たなファンを魅了すること間違いなし!
せっかくなので、今回は中身も少し紹介します。

表紙1ページ目のスタッフロールと目次。
ネギまの英訳版は1巻の翻訳者が2巻以降変わっていました。(少し内容がアレでしたから。)
内容に変化はありませんが、折角ですし、もう少し詳細に紹介したいと思います。
ただ、1巻目は既に紹介しているので、まだ紹介していない2〜3巻を今回は紹介します。

2巻のタイトルと作者紹介。
このようなページが1冊の区切りとして間に挿入されています。
作者紹介のようにカバーに掲載されている部分が、この形式だと、どのように収録されているのかが疑問でしたが、実際はこのように区別をつけています。

ネギま!2巻の見どころは、期末試験と生徒紹介。
上は試験前の図書館島探索時のモノ。
この回はツイスター形式の石碑で英単語の問題を解いていく話でしたが、日本語から英語に翻訳された場合はどのようになるのか右を参照してください。この時の問題はDifficultでしたが、翻訳版では日本版同様、日本語で問題を答えています。この手のストーリーの構成は、結構翻訳家を悩ませるモノです。
原作中、簡易的でも多言語を翻訳するようなストーリーで、日本版と同様の内容で掲載すると、日本語が分からない現地人には理解が出来ない部分になってしまい、万人向けの作品には不向きな場面になってしまいます。
この場合は簡単な英単語だったこともあり、あえてオリジナルを崩さない翻訳の仕方を選んだようですが、うまく考えると日本語でも読者に軽い英語のレッスンになり、逆に英語版では日本語が覚えられますから、まさに一石二鳥の発想。
また、ネギまは基本的に16歳以上が対象の作品なので、このようなシーンは一切の修正がありません。

2巻の生徒紹介の回、千雨の人気を急上昇させたあの回からの1コマ。
赤松先生自身が毎回寸止めにしているのもあり、大きく修正するようなこともありませんが、もともとのレーティングが高いおかげで、こういったシーンもオリジナルで読めます。
1巻目を紹介したときにはありませんでしたが、こちらの英訳版コミックには、表現上、現代語の要約が翻訳できない場合があり、大抵、以下のような用語説明が入っています。
ここでひとつ、例を紹介。

Ojou-sama
Ojou-sama is a way of
referring to the daughter or sister of someone
with high political
or social
status.
いいんちょうこと雪広あやかメインの冒頭に使用された単語。
日本でも、お嬢様はお馴染みですが、英語にも似た作法の文化もあるので、置きかえられる単語はもちろんありますが、所々日本語のままで掲載するのが英訳版コミックの特徴。
マンガ=日本の文化紹介のひとつでもありますから、このように現代語は後で意訳をつけて紹介します。
ちなみに英訳の意味はこんな感じ。
お嬢様は政治的または社会的地位の高い家庭の娘または姉妹を示す。
マンガも翻訳版はモノによっては使いようですね。
学校の授業では教えてくれない日本語が学ぶことが出来、日本人も意味さえ知っていれば、アキバ系といわれる用語でも現地人に説明できます。
好きなマンガがきっかけで、外国人と交流が持てることも可能、素敵じゃないですか?

最後は3巻を紹介。
エヴァンジェリン様編最後のナギを思い出すシーン。
ナギ:Well, don't worry. You can
come back when you graduate.
Try living in the light. Then, at
that time the curse will be
lifted.
エヴァ:HMMM...OKAY
この会話の説明を入れます。
ナギの「卒業する頃には〜」の部分は、これでもかと言うぐらい同じです。
「光に生きてみろ」も"Try living in the
light.″とそのままですが、最後の「呪いも解いてやる」部分だけ、"curse will be
lifted.″=「呪いも解けるだろう」ナギ自身が呪いを解くよりも、エヴァ様が卒業すると時に自然に解けていくようなニュアンスになっていました。
その説明を聞いたエヴァ様は、大変素直な反応を見せています。
HMMM...OKAY=んんん、分かった
あれ、おかしいなぁ、いくらツンデレのエヴァ様でも、ここまで素直だと
デレ部分だけしか見えませんが、エヴァ様可愛すぎます。
さて、通常の英語版のコミックは非常に高く、1冊平均1000円近く。
単行本でこの本のように3冊揃えるだけで、3000円を越してしまいます。
しかし、このオムニバス版を日本のコミック文庫と同等であると説明しているのは、その形式だけではなく、値段も文庫と同等だからです。

3冊分入って、$12.95。日本円で約1400円。
ネギま!並びにDelReyコミックは1冊$10.95するので、単行本で買い揃えていたファンにすれば、これは反則的な値段です。
マンガがこちらで普及し始めてから5年ほど経ちますが、新旧含め、今までこのようなオムニバス形式で単行本が発売されたことはありません。
これが意味するのは、こちらでも文庫形式で発売されるぐらい、米国におけるマンガ市場・文化が馴染みのあるものになったということでもあります。
ただ、オムニバス版だからといって中に特別な変化はありません。
掲載の形式が違うだけで、中身は普通のコミックですから。
しかし、この形式は新規ファンが入りやすいレールを敷き、新たなファン層を開拓するだけではなく、日本から多くの旧作、名作作品の輸入、翻訳化などの可能性を広げます。
試験的なので、今後この形式が普及するのか、1度きりになるのかはまだ未知数ですが、米国も日本のようにマンガが生活の一部になる日に僅かながら近づいてきています。
今回は以上です。