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サクラコン特集第3回目は、イベント初日に行われたゲスト、安倍吉俊さんのパネル紹介です。
serial
experiments
lainや灰羽連盟などのキャラクターデザインなどで知られる安倍さんは、その独特の世界観やキャラクターなどで世界中から人気を集めています。

パネルでは、安倍さんの作品がスクリーンに映し出され紹介されました
今回のパネルでは安倍さんの作品に関する質問の他に、スクリーン上に安倍さんの作品の一部が映し出されるなど、ファン必見のイベントとなりました。
では、海外のファンは、安倍さんに一体どんな質問をぶつけたのでしょうか!?
さっそく、今回の安倍吉俊のQ&Aを紹介します。(質問順)
質問と回答は全てイベントで言ったことを紹介します。
なるべく、本人が言った通りに書いていますので口語風になっている部分があります。ご了承ください。
(安=安倍吉俊)
では、本文をスタートします。イベント当時の雰囲気を存分にお楽しみ下さい。
司:これからserial
experiments
lainや、灰羽連盟、NieA_7、そしてTEXHNOLYZEなどでのデザイナーとして有名な、イラストレーター安倍さんのパネルを始めたいと思いますが、その前に、安倍さんについて紹介します。
安:では、(自分が)やってる仕事についてお話します。
僕が最後にアニメを作ったのが2004年なんですけど、気がついたらもう5年もたってしまっていて、今年、まあ、去年の終わりごろからやっと新しいアニメの企画をスタートさせることが出来ました。
日本では、5月の20日ぐらいに公開されるはなしなので、ちょっと早めの話なんですが、(この話を)話すのが、ここが最初になります。新しいアニメのタイトルは、「ですぺら」なんですけど、98年にやったlainってアニメの時とほぼ同じスタッフでやります。
今回は、日本の大正時代、今から100年ぐらい前が舞台です。
まだ日本ではまったく公開されていない話なので、ストーリーや詳しい話はまだ出来ないんですけど、イメージボードが、上(上階)の僕の絵が展示されている場所で、1枚だけ展示されているので、見ていただきたいと思います。

最新作品のラフ画や設定画がスクリーンに映し出されました
あと、WiiのWiiウェアのダウうロードコンテンツでゲームを一本作っています。タイトルは、「殉職刑事(デカ)」と言います。
ちなみに、このゲームの企画を初めて聞いた時に、「自分が刑事になって犯人を捕まえるゲームですか?」って聞いたら、「そうじゃなくて、犯人に撃ち殺されるゲーム」だよと言われました。
(ゲーム中に)犯人に撃たれたら、Wiiのコントローラーを使って、「痛い!」ってリアクションをして、かっこ良く倒れるのが(このゲームの)システムです。
そのゲームに出てくる12人の刑事のデザインをやっていて、僕のデザインしたキャラクターはゲーム中に全員死にます。もう一本同人誌で、「リューシカリューシカ」という同人誌をやっていて、今それを3Dアニメにする企画もやっています。
画面にリューシカが映され
これが僕のやっているリューシカの3Dアニメです。
これは、僕の絵じゃなくて、3Dのモデルで作ったやつで、最初の実験で作ったやつです。
これ以外に4つぐらい既に作っています。ちなみに一番新しいやつも持ってきているので紹介します。
画面のリューシカを指しながら
これは、日本のアプリケーションソフトで「まいにちいっしょ」という猫がアニメをするコンテンツがあるんですけど、それを開発している会社が携わってます。
司会者:では、これからパネルを始めます。質問がある人は、手を挙げてください。
1.安倍さんのすぐ横に同人誌が数冊置いてありますが、それはここで販売してもらえるんですか?
安:多分一冊このスケッチを集めた本が売ってるんじゃないかと思います。冊数が25冊ぐらいしかないので・・・はい。
2.安倍さんが影響を受けた、画家、イラストレーターさんは居ますか?
安:マンガ家の星野之宣さん、SFマンガ家さんと、冨士宏さんというNAMCOというゲーム会社でデザイナーをやっていた人が、日本で、ゲームセンターに置いてあった冊子にマンガを描いていて、そのマンガがすごく良くて僕が中学生の時に、20年ぐらい前なんですけどよく読んでました。
3.まず最初に、上質のアニメを作って頂き、本当にありがとうございます。僕は今まであれだけハイクオリティーな作品を見たことがありませんでした。質問なんですが、安倍さんの世界観は村上春樹さんから影響を受けていると聞いたんですが、本当ですか?
安:そうですね、よく壁に囲まれた街とか、図書館とか、門番とかそういう世界観は、わりと意図して同じ世界観を作ってます。影響を受けた小説の中にハードボイルな話などがありますね。
あと、僕の無意識の中に空想で街があるんですけど、その世界がものすごく村上春樹の世界に似ているので、自分の頭の中にある街を描くときに、その村上春樹の街に似ているものが出てきます。
4.安倍さんはなぜ普通の絵画などではなく、マンガやアニメといった媒体を選んで作品を作っているんですか?
安:僕はずっと東京芸術大学という学校で、日本画の勉強をしていて、大学院の試験を受ける直前に、アニメのプロデューサーから「アニメの仕事をやってみないか?」という話を貰ったんですが、(その道を選んだ)最初の理由は、大学院に行こうと思ったら、借金が100万円ぐらいあって、仕事が来たということで引き受けたんですけど。
その後しばらく、日本画をやるか、アニメ、アートをやるとかと少し悩んだんですけど、僕にとってどちらもやる(絵を描く)ことに差が無いので、人によってアニメとアートを分けている人もいるけど、僕の中ではどっちも違うことではないので、どちらも同じように自分の人生を懸ける意義があるので、アニメのほうが先に仕事になったので、こちらを選んだという感じでもあります。
5.3Dの技術は安倍さんにとって、作品を作っていく上でどんな技術・手法だと思いますか?
安:難しい問題で、おそらくこれからアニメーションを作っていく上で3Dという技術は無くてはならないものになっていくだろうなとは思いますけど、人間の目というのは、人間を見分ける能力が非常に高いので、ドラム缶みたいなものは、3Dで作っても写真や本物と見分けがつかないほどリアルに作れますけど、人間というのはそこまでリアルにならないので、人間を3Dで作るのは難しいとは思います。
今、「リューシカリューシカ」で3Dになっていますが、リューシカがすごくデフォルメされたマンガっぽいキャラクターなので、わりと上手くいっていると思いますけど、リューシカのお兄さんかお姉さんが出てくるんですけど、そちらはもう少しリアルな等身なので、それは僕の中ではまだ3Dには着手できません。
6.安倍さんは今までにたくさん作品を作っていますが、その中で自分が一番気に入っている作品はありますか?
安:基本的にはやったものは全部好きです。何か一個と言われたら、完成しているものの中では、「灰羽連盟」です。自分で脚本も全部書いているので、自分がやりたかったものに一番近いものです。
7.灰羽連盟の作品の中で、ちゃんと語られていない部分が多いのですが、それらについて教えてもらえますか?
安:はっきりしなくて申し訳ないのですけど、物語の中で描いて無いものは「ここは描かないで置こう」と意図して描かなかったので、僕が仮に何か説明してしまうと、皆考えなくなってしまうので、意味を考えてもらうためにああいうものは描いてあるので、僕からの答えはありません。
(その質問は)アメリカに来るといつも聞かれます。
8.安倍さんの同人誌の中で「リューシカ」以外の同人誌を「リューシカ」の3D化のようなプロジェクトにするとしたらどの作品をしますか?
安:さっき「リューシカリューシカ」が出てましたけど、実はもう一個仕事があって、マンガの連載をやる予定があって、今、なんのマンガの連載をやるのか迷っていて、リューシカの3Dのモデルが非常に上手くいっているので、「リューシカを連載しよう」という話になっているんですけど、担当さんはポチ山さんをやりたかったという話もありました。
9.TEXHNOLYZEのキャラクターデザインで、何か別のから影響を受けたものはありますか?
安:TEXHNOLYZEの企画をプロデューサーのuedaさんという方と話をして、まだ話がどうなるか分からないという時に、漠然と世界観をつくるという作業をしていましたが、その時は、他の作品に比べると、僕の役割はキャラクターデザインに集中していていました。
TEXHNOLYZEの蘭って女の子が狐のお面を付けているんですけど、プロデューサーがキャラクターの話をしている時に、「狐のお面をつけて」という話をしたと思うんですけど、僕が狐のお面を描いて、キャラクターデザインを出したら「なんで、お前狐のお面を描いてるんだよ」という話をされて、uedaさんが「そんなこと絶対に言って無い」と言って、僕は確かに聞いたと思うんですけど、結果的に狐のお面がついたんですけど、誰が言い出したのかは未だにちょっと分からないです。
もしかしたら聞き間違えたのかもしれないですけど、なにを聞き間違えたのかもよくわからないです。
TEXHNOLYZEのキャラクターはそういう難しい出来方をしてます。

画面に映し出されるリューシカの3Dモデルと、パネルに訪れた参加者
10.安倍さんが使ってるMacBook
Airの使い心地はどうですか?
安:MacBook
Airは非常に良いんですけど、今回、プロジェクターに繋げるケーブルを忘れてきちゃって、まったく役に立っていないです。
薄型の為に、ケーブルがちょっと特殊な形をしているので、お店にもなかなか売ってないので苦労します。
あと、気に入っているMacは今使っているMacBook
Proの17インチと昔ちょっとだけ出たG4Cubeです。
ちなみに、G4Cubeはウチでまだ元気に動いてます。
あと、iPhoneは非常に面白いデザインですばらしいです。
iPhoneで、ポチ山さんのマンガをダウンロードして読むことも出来ます。
今までの携帯電話だと本を読むには画面が小さすぎたりとか、目が悪くなるとかありましたけど、iPhoneは画面が大きくて、指でページがめくれたりするので、本に非常に近い感じがして、将来性を感じています。
Macの話が終わらなくなっちゃうので、この辺で。
11.serial experiments
lainのOP曲であるDUVETはどうやって決まったんですか?
安:あれは、ある日プロデューサーのuedaさんが持ってきて、これにすると言ってきたので、僕はなぜあれになったのは分からないんですが、非常にいい曲だと思います。
音楽と声優さんの決定権は僕には全く無いので、uedaさんのこだわりがあって、僕も色々言うんですけど、オーディションのテープも全部聞いて候補を出してるんですけど、あまり僕の意見は通らず、uedaさんが全部決めちゃいます。
モニターにリューシカのモデルムービーを見せながら
安:これはリューシカのモデルなんですが、比較的新しいモデルですね。
技術的なことを言うとモーションを手でつけているんですけど、スカートは自動で演算している設定になっていると思います。僕はあまりこの辺は詳しくないんですけど。
なので、今は膝がスカートから飛び出しちゃったりしてます。もちろん、最終的にはそうはなってませんが。
別のムービーに切り替え
安:今、リューシカが持っているのは、たこ焼きという日本の食べ物なんですが。リューシカはたこ焼きが好きという設定になっていますが、僕はタコがアレルギーがあるので食べれません。
基本的にアニメーションは僕の手書きの絵と3Dのモデルと組み合わせています。
アニメーターがやっている作業と同じ工程でキャラクターを動かしたりしてます。
この3つの動画の中で一番不満があるのは、僕の絵で、僕はキャラクターを描くたびに顔が変わってしまうので、同じものをあまり繰り返し描けないので、困ってます。
12.3Dを作る時に使っているソフトはどれですか?
安:多分、Shadeだと思います。よく分からないです。
もう一個、動かない僕の絵を貼っただけの3Dは、ライトウェーブだと思います。
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lainの物語の目標は何ですか?
安:それは小中さんに聞かないと分からないんですけど、最初プロデューサーのuedaさんと僕とあと何人かと話をしていた時にuedaさんが立ち上げた企画で、uedaさんが言ったのは、「人間はこれから自分の体がいらないと思うようになるだろう」ということを最初に言ってました。
uedaさんの企画というのは、非常に入りづらいというか、物語の断片という物がドンドンと書いてあって、物語の繋がりが読みづらいんです。シーンや画面は浮かぶんですけど、難しいもので、最初の企画のころはわりとホラーとかオカルトモノに近かったんですけど、全然違う物語になりましたね。
14.仲の良いイラストレーターさんまたは尊敬するイラストレーターさんを教えてください。
安:そうですね、前嶋重機さんとかは非常に絵が上手いので、もっと有名になればいいなと思ってます。
同業者の話は基本的にしません。皆友達なんですけど、あんまり褒めすぎて急に有名になられても困りますし。
15.今イラストの勉強をしている人に何かアドバイスをいただけますか?
安:僕がプロになれた一番の理由は何かというと、僕にはあまり才能がなかったのが良い事だったと思うんですけど、何にもしないではじめから出来るというのは非常に難しいので、自分がやっていることについて説明するのは難しいですけど、僕は色の感覚が他の人と違ってて。大学に入るために勉強した頃からそうでしたが、僕の感覚で持っている色が汚いんで、なんで自分の色が汚いのかそういうものを全部考えて、分かるようにならないと何も出来なったと思いますし、そのために何度も考えたことが非常に大事なことだと思います。
自分の中で何が出来るのかを考えることが一番大事だと思います。はじめから大きくないほうが、長い目で見ると良いと思いますし。
16.モノクロの作品とカラーの作品はどちらのほうが描きやすいですか?
安:普通は、カラーの作品の方がモノクロより制作に時間が掛かってしまう人が多いですが、僕の場合はモノクロの作品よりもカラーの作品のほうがたくさん描いているので、マンガもカラーで描くと時間が掛かるからということではなく、どちらも同じような時間で描いているので、カラーで描けるほうほうが描きやすいです。
あと、カラーのほうがちょっと原稿料いいです。
最後に
安:今日は皆さん来てくれて、本当にありがとうございました。最初に話しましたけど、気がついたら最後にアニメをやってから5年も経ってしまって、忘れられてないかなと心配もありましたけど、来年には作品もたくさん出せますので、楽しみにしていてください。
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以上が今回のパネルの全体の質問です。
安倍さんの作品は米国ではどれも人気が高く、イラストレーターのパネルながら、多くの参加者がパネルに訪れました。
また、パネル中に安倍さんが携わった最新の作品紹介や情報が紹介され、日本のファンも羨むほど豪華なパネルになりました。
次は、ゲストイベント第2回目、声優・山口勝平さんのパネルを紹介します。
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